
死んだら「○○家の墓」に先祖と入るー。最近、こうした「常識」が変わりつつある。これまでの「○○家の墓」
は、子々孫々での継承を前提としてきた。家族のありようや価値観が多様化し、墓の跡継ぎ問題に悩む人は少なくない。
「子供や孫に負担をかけたくない」「転勤族の子どもや結婚した娘には墓守を期待できない」子どもがいない夫婦やシングルも増加している。
継承者がいなければ、無縁墓として処分されてしまう・・・。そんな事情もあり、「○○家の墓」にこだわらない人が増えている。
なかには墓に納骨しないことを選択する人もいる。例えば散骨。今や「思い出の地に撒いてほしい」と考える人は珍しくない。
「マディソン郡の橋」や「世界の中心で愛をさけぶ」など話題の純愛小説で、散骨がロマンティックに描かれている影響もあるかも知れない。
(中略)愛する配偶者や子どもを亡くし、「遺骨を自分のそばに置いておきたい」と願う人は多い。3年前に公開されたロバート・デ・ニーロ主演の
「ミート・ザ・ペアレンツ」では、祖母の遺灰が入ったつぼが暖炉の上にさりげなく飾られていた。欧米では、こうした光景は珍しくない。そのため骨つばの種類も豊富にある。(中略)
そもそも「○○家の墓」が日本で一般化したのはせいぜい明示末期以降。歴史があるとは言えないのだ。世間体、死への畏怖、家意識、親せきとのしがらみ、慣習。葬送にはさまざまな要素が絡み合う。
しかし立派な先祖墓も、自宅の安置も、散骨、故人を偲ぶ遺族の気持ちには変わりないはず。(中略)
日本でも納骨以外に選択肢が広がっていくのは歓迎すべきことだと思う。